血縁関係を証明するのに当たり前となっている「DNA鑑定」。自分で産んだ赤ちゃんとDNAが一致しない?!と犯罪まで疑われてしまった女性がいました。
そこで今回は、「DNAキメラ」とは何なのか、疑われた女性「リディア・フェアチャイルド」さんの赤ちゃんは「DNAキメラ」だったのか、それに加え、「リディア・フェアチャイルド」さんの夫(旦那)や子供達の家族構成、「リディア・フェアチャイルド」さんの現在、さらに「ワールド極限ミステリー」で取り上げられた内容をご紹介します。
目次
DNAキメラとは何?
「DNAキメラ」とは一体何なのかをご紹介します。
ヒトの生命体というのは、1個の受精卵が細胞分化と細胞分裂を繰り返す事で、形が作られていきます。
つまり、全ての細胞は、細胞核の中にある同一の遺伝子と染色体を持っています。
「DNAキメラ」というのは、細胞核の中に遺伝子的に見て異なる2種類以上の遺伝子と染色体を持っている状態の事を言います。
言い方を変えれば、同一の個体内に違った遺伝情報を持っている細胞が、入り混じってしまう状態です。
ちなみに「キメラ」とは、ギリシャ神話に出てきている怪獣の事です。

頭がライオンで、しっぽがヘビのような、数種類にもわたる動物の部分を合わせ持った生き物です。
DNAを2種類も持っている「DNAキメラ」は、これまで世界で約30の例しか報告されていません。
これは、10億人に1人の発症する割合であり、とても珍しいDNAだと言われています。
リディア・フェアチャイルドが疑われた内容は?
「リディア・フェアチャイルド」さんが犯罪を疑われた内容をご紹介します。
自分の産んだ赤ちゃんとDNAが一致しない?!と犯罪まで疑われた女性、それが「リディア・フェアチャイルド」さんです。
2002年、リディア・フェアチャイルドさんが25際の時に、第三子となる子供を身ごもりました。その時は妊娠3ヶ月です。

子供達の父親とは別れており、リディア・フェアチャイルドさん自身が失業中だったことから、ワシントン州の生活保護を受給する為に、DNA鑑定を受けなければいけませんでした。
お腹の子供との親子関係を証明するだけでなく、子供達と子供達の父親の全員がDNA鑑定を受けました。
結果を待っていたある日、社会福祉課からすぐ来るようにと通達がありました。
定期的な面談だろう。と思っていたリディア・フェアチャイルドさんに対し、社会福祉課の職員が「あなたは誰ですか?」と尋問が始まりました。
突然の犯罪を犯した容疑者のような扱いに、驚き混乱したリディア・フェアチャイルドさん。
DNA鑑定の結果が、父親と子供達と一致したのですが、なんと、リディア・フェアチャイルドさんと子供達のDNAが一致しなかったのです。

リディア・フェアチャイルドさんは「なんかの間違いです!」と反論したものの、「DNA鑑定は100%嘘をつかない!」と引き下がらない職員。
結局、生活保護を受ける事ができず、母親になりすました不正受給者ではないのかと疑われ、立ち去る際に職員に「いつでも子供達は取り上げれるから」と言われたのです。
子供達を失うかもしれないという事にパニックを起こし、家に帰ってすぐに、子供達の出生証明書や妊娠中の写真など、証拠となるものをかき集めました。
出産に立ち会った両親にも事情を話し、子供達を出産した産婦人科にも連絡、裁判で「DNA鑑定がおかしい」と証言してくれることを約束してくれました。
しかし、当時の裁判ではDNA鑑定は絶対的なもの。証言なんて通じないかもしれません。

そこで、一度目のDNA鑑定が間違ってないかと思い、もう一度別の機関でDNA鑑定を依頼しますが、ここでもDNA不一致と結果ができました。
負けるという裁判に立ち向かってくれる弁護士も居ませんでした。
そこで出会ったのが「アラン・ティンデル弁護士」。リディア・フェアチャイルドさんに色々質問をする際に、「自分が産んだ子供である!」という回答があまりにも確固たるものであったので、信じて一緒に戦う事にしたのです。
リディア・フェアチャイルドさんは疑われたまま、3人目の子を出産し、陪審員に出産に立ち会ってもらい、すぐにDNA鑑定を行いました。

DNA鑑定の結果は「不一致」。出産を目の当たりにしたにも関わらず、DNAは一致しなかったのです。
しかし、リディア・フェアチャイルドさんに希望の光がさしたのです。
リディア・フェアチャイルドはDNAキメラ?
「リディア・フェアチィルド」さんは、DNAキメラなのでしょうか。

第三子出産でDNAが一致しなかった直後、アラン・ティンデル弁護士に友人の医師から「ニューイングランド・ジャーナル・メディスン」という雑誌を紹介されました。
そこには、1998年ボストン州で起きた同じような事例が書かれていたのです。
そのケースは謎が解き明かされていました。
別の州に住む「カレン・キーガン」さんが、腎臓移植の為にDNA鑑定を受けたものの、2人の息子とDNAが一致しませんでした。
カレン・キーガンさんの担当医は不思議に思い、リディア・フェアチャイルドさんが投げかけられたような質問を行いました。
DNAサンプルを体の様々な場所で行ったものの、やはり一致せず。
カレン・キーガンさんは以前、甲状腺の小瘤(しょうりゅう)の切除手術を受けた事があったので、保管されていた小瘤の組織サンプルを検査すると、見事息子2人とDNAが一致したのです。
なぜそんなことが起きたのでしょうか?
それは、カレン・キーガンさんは血液的に1人でありますが、組織的にみると2つの個体が結合していたのです。すなわち、カレン・キーガンさん自身が、双子そのものだったのです。
これは、妊娠初期に双子の片方が流産してしまい、生存している赤ちゃんに吸収されるか、2つある受精卵が子宮内にて融合して1つになったとみられています。
この事例をもとに、リディア・フェアチャイルドさんはDNAキメラであるか検査が行われ、DNAキメラである事が発覚。子供達も実子であることが認められ、起訴は取り下げられました。

これは、骨髄移植した方も、提供者との血液が融合してしまい、血液のDNAと細胞のDNAが一致しなくなる場合もあるそうです。
リディア・フェアチャイルドの夫旦那や子供など家族は?
「リディア・フェアチャイルド」さんの、夫(旦那)や子供などの家族構成をご紹介します。

夫の「ジェイミー・タウンゼント」さんとは第三子妊娠時には離婚していまが、今回の騒動をきっかけに再婚されたようです。

子供は、2014年の時に長女が4歳、長男が3歳でした。
なので、今は10歳と9歳と、次男が5歳か6歳ですね。
その後、第四子の次女も出産されているようです。
リディア・フェアチャイルドの現在は?
「リディア・フェアチャイルド」さんは現在どうされているのでしょうか。

現在は、ジェイミー・タウンゼントさんとお子さん4人で仲良く暮らしているようです。
リディア・フェアチャイルドさんを「ワールド極限ミステリー」で紹介!
「リディア・フェアチャイルド」さんが「ワールド極限ミステリー」で紹介されました。
残念ながら、これもどこにも出ておらず、内容がわかりませんでした。
リディア・フェアチャイルドについて終わりに
今回は、「リディア・フェアチャイルド」さんについてご紹介しました。「DNAは100%嘘をつかない」という事が、覆された出来事だったのでないでしょうか?世界で見ると人間の体は不思議な事がいっぱいありますね。